小笠原諸島の海底火山の噴火により、沖縄本島などの海岸に大量の軽石が漂着している問題。
漁業などへの影響が深刻化している中、軽石の除去方法について注目が集まっています。
軽石の処分の仕方は、物理的にとって埋めるしかないのでしょうか?
大量であるだけに、かかる時間や費用が気になりますよね。
そこで今回は、沖縄の軽石の除去方法や処分の仕方について詳しく調べてみました!
沖縄に大量の軽石が漂着!撤去費用が3ヵ月で約8000万
小笠原諸島の海底火山で噴出した大量の軽石が、沖縄本島に漂着していることが問題となっています。
軽石とは…
- 火山が発生したことで噴出したマグマが、海水によって急速に冷やされることでできる岩石。
- 内側からガスが噴き出ることで小さな穴が無数に開いていて、軽くて砕けやすい性質。
- 海面に浮遊しているものは砕けて小さくなり、海底に沈む。
- 完全に消滅するまでは1~2年かかると言われている。
- 成分分析結果では、カドミウムなどの有害物質は基準値以下であった。
有害物質ではないものの、漁業などへの影響が深刻化している問題があります。
噴火の規模が大きく、漂流した軽石の量も多いことで、被害が広がっている様子。
舟が軽石を吸い込むと故障やエンジントラブルの原因となり、海難事故に繋がります。
実際に、沖縄県内の漁船100隻がエンジントラブルを起こし、全体の4割にあたる1206隻が出漁を自粛している報告がありました。
この他にも、
- モズクの養殖に支障
- 蓄養している魚が軽石を飲み込み死亡
- 離島への定期便が一時欠航
- マリンレジャーの中止やキャンセルが相次ぐ
などの影響が出ているようです。
そんな被害を受け、沖縄県は軽石の撤去作業に全力を注いでいます。
作業は県の職員や業者が担当し、国頭漁協関係者らが見守る中、港内に流れ着いた軽石を重機などで撤去。
ショベルカーで大量の軽石をすくい上げながら撤去しますが、規模が大きいため朝から晩までの作業が続いています。
また、
- 新たな軽石の流入を防ぐ
- 陸上から届かない軽石を回収する
などの対応のため、汚濁防止膜を搬入し港内の入口付近に設置する予定です。
沖縄県によると、
業者との契約額は約7464万円で、契約期間は3カ月。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/b7c8f6c1f14a20534106d6e68a1066b061c21d0f
との報告が。
軽石の撤去費用は、なんと3ヵ月で約8000万円もかかる見込みです。
漁業や観光業に大きな被害を与えている軽石。
沖縄県は多額の撤去費用や作業期間を費やし、復旧に向けて全力で取り組んでいるのですね。
沖縄の軽石の除去方法は?処分の仕方は物理的にとって埋めるしかない?
沖縄の軽石の除去方法はどのようなものがあるのか気になるところですよね。
また、軽石の処分の仕方は物理的にとって埋めるしかないのでしょうか?
ここまで大量の軽石の漂着は前例がなく、手探りで作業を進めるしかない状況。
軽石は噴火したマグマからできた岩石ですが、海水による塩分を多く含んでいます。
そのため、簡単に埋めて処分することができず、量が多すぎることで費用をかけて砕いて粉状にすることも難しいのです。
海面に漂流しているものは徐々に粉々になって小さくなり、砂のように海底に沈みますが…
サンゴへの影響や魚が軽石を飲み込んでしまうといった悪影響も。
処分方法は、安全性を十分に確認してから検討する必要があるのですね。
そんな中、軽石の一部が黒潮にのって関東地方などに接近する可能性があると見られています。
海洋研究開発機構のチームが明らかにしたスーパーコンピューターを使ったシミュレーションでは、
軽石は黒潮などの海流により、11月上旬にかけて四国付近の沖合を進み、11月末ごろには千葉県や神奈川県など関東地方の沖合に達する
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/22ddb06a80aba0bfe7d5d190b28fba9a685ec6f1
と予測されています。
ただしシミュレーションは海流が中心で風向きなどは考慮していないため、変化する可能性も十分に考えられるとのこと。
もし黒潮にのった軽石が関東の沖合に接近した場合でも、沖縄のように海岸に大量に漂着する可能性は低いようです。
漁業への影響は大きくならない予測がされているので、安心ですね。
一方、沖縄では北西側に回り込んだ軽石が再び押し寄せ、被害が長引く恐れも。
そんな事態に備えて沖縄県では、
沖縄県内各地に軽石が漂着している問題で、軽石を吸引して除去する実証実験が15日、沖縄県本部町の渡久地港で行われた。土木工事業の極東建設(那覇市)が重機に付けたポンプの吸入口を独自に改良し、軽石を吸い上げた。
引用元:https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/864004
という実証実験の報告がされています。
ポンプで軽石が混ざった海水を吸い上げ、簡易水槽に入れて軽石と海水を分けるというもの。
- 海面の軽石を吸引できるよう、逆さにポンプをつける
- 軽石を含んだ海水ごと吸い上げるため、吸入口の形を工夫
- 1分間で約6㎥の海水を吸い上げる
などの対策を取り、吸い上げた海水のうち約5%が軽石だったという結果が出ました。
吸い上げた海水の処理方法については、現場に応じた対応が必要となります。
今後も専門業者と連携し、技術や機材を生かして軽石を処理する方法を模索していくとのことでした。
沖縄の軽石の除去方法は処分というよりコントロール!東京に来た場合はどうする?
沖縄の軽石の除去方法については、すぐに処分することは難しいということでした。
つまり、処分というよりも軽石の漂流先をコントロールする方がいいのでしょうか?
専門家によると、
軽石が流れる道筋は、衛星写真などで把握することができる。水面に浮かんでいるので、オイルフェンスなどを使って軽石の漂着先をコントロールすることは可能だ。漁業などに使われていない入り江に集め、そこから少しずつ取り除いていくなどの対処法がある。
引用元:https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1413772.html
ということでした。
衛星写真で軽石の道筋を把握し、漁業に影響のない場所に漂流先をコントロールすることができるのですね。
そこで必須となるオイルフェンスとは、
- 石油類などの拡散を防止する目的で水の中に張る浮体
- 事故や災害によってオイルが河川、湖、海などの水面上に流出した場合に使用される
- ブーム(boom)とも呼ばれる
という本来はオイル(石油)などの拡散を防ぐフェンス。
オイルフェンスを設置することで、軽石が漁港に入り込まないようにします。
そうすることで、船の出入りに支障がなくなり、いけすでの養殖にも影響が少なくなる見通しです。
軽石の漂流先をうまくコントロールし、漁業や観光業への影響をなくした上で撤去作業を続けていくのですね。
まだまだ長い戦いになりそうな沖縄の軽石問題。
沖縄だけでなく本州への影響も見据えて、国全体での対策を進めていく必要があるようです。
まとめ:沖縄の軽石の除去方法は?処分の仕方は物理的にとって埋めるしかない?東京に来た場合はどうする?
沖縄の軽石の除去方法や、処分の仕方についてお伝えしました。
これまでは、重機で物理的にとって埋めるしかないと考えられていましたが、
- ポンプで海水ごとすくい上げる
- オイルフェンスで軽石の漂流先をコントロールする
といった新たな取り組みが始まっています。
沖縄だけでなく、黒潮によって本州への漂流も予測されている軽石。
早期対策によって、被害を最小限にとどめたいところですね。
以前のような沖縄の美しいビーチを取り戻せることを願っています。
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